オクトーバーサプライズ

【よみ】
おくとーばーさぷらいず
【英名】
October Surprise

オクトーバーサプライズとは、米大統領選挙が実施される年に、投票が行われる11月の前月である10月に選挙戦に大きな影響を与える出来事(サプライズ)のことを指す。

  • 1980年
  • 現職ジミー・カーター大統領(民主党) 対 ロナルド・レーガン候補(共和党)
  • 当時、イラン革命で米大使館が占拠され、52人の大使館員が人質として捕らわれる問題を抱えていたが、カーター政権は人質救出作戦に失敗するなど批判を浴びていた。
  • これに対して、レーガン候補の関係者が1980年10月18、19日にパリでイラン政府関係者と極秘で会談し、カーター大統領の任期が終わるまで人質解放時期を延長するように交渉した(疑惑)。
  • 結果、この選挙ではレーガン候補が勝利し、1981年1月20日にロナルド・レーガン氏がアメリカ合衆国第40代大統領に就任。同日にイランで人質として捕らわれていた米大使館員も無事に解放された。
  • この事例以降、オクトーバーサプライズと言う言葉が使われ始めた。

 

  • 2004年
  • 現職ジョージ・W・ブッシュ大統領(共和党) 対 ジョン・ケリー候補(民主党)
  • 投票数日前となる10月末に2001年9月11日の「米同時多発テロ」の首謀者としてアルカイダのオサマ・ビンラディンがビデオ声明で同時多発テロへの関与と実行犯への攻撃の指示を認めた。これによって、同時多発テロ発生後に支持率を急上昇させたジョージ・W・ブッシュ大統領が投票直前に再び支持率を獲得し当選した。

 

  • 2012年
  • 現職バラク・オバマ大統領(民主党) 対 ミット・ロムニー候補(共和党)
  • 投票直前の10月下旬にハリケーン・サンディが米東部を襲いニューヨーク証券取引所が10月29日と30日の2日間休場に追い込まれるなど、浸水による停電など多大な被害をもたらした。当時現職のバラク・オバマ大統領の迅速な災害対応が評価され追い風となった。一方で、ミット・ロムニー候補は連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency、 略称:FEMA)の予算縮小や廃止に言及した過去を取り上げられて逆風となった。
  • 結果、バラク・オバマ大統領が再選された。

 

  • 2016年
  • ドナルド・トランプ候補(共和党) 対 ヒラリー・クリントン候補(民主党)
  • 投票日(11月8日)直前の10月28日にFBIのジェームズ・コミー長官が、「ヒラリー・クリントン候補の国務長官時代の私用メール問題で新証拠を発見し再捜査する」と発表。
  • それまで優勢に立っていたヒラリー・クリントン候補の支持率が、一部世論調査ではドナルド・トランプ候補に逆転され劣勢となった。その後、11月6日にコミー長官が「訴追はない」と発表したものの、ドナルド・トランプ候補が当選した。

 

  • 2020年
  • 現職ドナルド・トランプ大統領(共和党) 対 ジョー・バイデン候補(民主党)
  • 10月1日に現職のドナルド・トランプ大統領や側近などの新型コロナウィルス感染が発覚し、「史上最大のオクトーバーサプライズになる可能性がある」との指摘もされている。
  • ただ、「元々、新型コロナウィルスを軽視する発言や行動が目立つトランプ大統領の感染は、あまり選挙戦に影響を与えない」「トランプ大統領(74歳)よりも年上のバイデン候補(77歳)の年齢や健康状態に再び焦点が当たる可能性もある」などの指摘もあった。
  • しかし、トランプ大統領は入院中に病院の周りに集まった支持者に対して大統領専用車で手を振って回るパフォーマンスをしたり、退院後もホワイトハウスのバルコニーでマスクを外すなど、「行動が無責任すぎる」との批判が上がっている。
2020年10月7日 更新