欧州債務危機

【よみ】
おうしゅうさいむきき
【英名】
European Debt Crisis

欧州債務危機とは、欧州の経済危機の連鎖のことを指し、「欧州ソブリン危機」、「ユーロ危機」などとも呼ばれる。

2009年10月にギリシャの新政権が旧政権による財政赤字の改ざん を表面化。ギリシャ財政への懸念が急速に高まり、デフォルトリスクからギリシャ国債(ソブリン債)の価格が急落した。また、これを機にユーロ圏内の財政赤字を抱えるアイルランドやポルトガル、イタリア、スペイン(PIIGS)の国債価格も下落、これらの国債を大量に保有する欧州などの銀行は、資産状況が急激に悪化、経営破綻の懸念も浮上した。ユーロ圏では、財政への不信感を立て直すための加盟国に緊縮財政策を課したことで実体経済が悪化するなど、影響は欧州経済に留まらず、欧州向け輸出の減少から世界経済を揺るがす事態に発展した。

通常であれば、重債務国は大規模な金融緩和策を採って財政の立て直しを図る。

ただ、ユーロ圏は通貨政策と金融政策がECBに委ねられているため、ギリシャや他の債務国なども独自の金融緩和策を採ることができなかった。

一方、財政政策は加盟各国が主導権を握るシステムであったが、支援策を決めようにも各国の議会の承認を得なければならず、決定まで時間を要した。

外国為替市場では単一通貨であるユーロへの信用不安からユーロ売りが強まり、2009年10月には138円台だったユーロ円は2010年8月には105円台半ばまで、2012年7月には94円台まで実に44円(約32%)もの下落となった。

 

2020年7月13日 更新